弟子の一人が先生に尋ねました。
今更なんですが、
教えてもらいたいことがあるんです。
儒教の教えの中に出てくる言葉を意味を、
この理解であっているかどうか、
教えていただきたいんです。
自分自身、この体を司るのは、
それが心である、
そして、この心の神秘的で、
霊妙な機能のことを知という、
この知って、他の言葉で言えば、
良知ですよね?
そして、良知が応すること、
感応すること、
感情が生まれること、
それを「意」という。
そして、この意が動いたことにより、
生まれる事象や出来事、
結果、事物のこと、
それを「物」という。
「大学」(四書五経)の最初に、
書かれる格物致知の「物」って、
そういう意味ですよね?
先生を少し笑みを浮かべられ、
答えられた、
まぁ、そんなところだね。
そして、一息を置いてから、
こう付け加えられた、
大事なことは、その心、良知が、
今の今、自分の心の中に、
ちゃんと働いているということを、
確認することだよ。
自分の良知は、
今、自分に対し何をせよと、
言っているのか?
何をすべきだと言っているか?
その良知に忠実であろうとすること、
常にその良知を働いていることを
しっかり意識できるようにすること、
それを学びというのだよ。
今、自分が良知に生きれているか?
生き切れているか?
そのことのみに集中する。
済んでしまった過去のことを気にしたり、
まだやってきていない未来を、
不安に思ったりしても、
心を乱すだけだよ。
言葉の意味を考える、
それも良いけれど、
本当に大事なことは、
そういうことだよ。